2023.04.27

足の歪みが関係している?靴とインソールで人生が変わった話

 

いきなり僕の汚い足をお見せしてごめんなさい(笑)

 

僕がインソールに出会う前、腰の痛みや膝の痛みに悩んでいた頃の足です。ちょっと歩けばすぐ疲れるし、学生の頃からヘルニアがあった腰は、長時間立っていると痛みが出るほどでした。

 

バイクに乗っていた頃に交通事故に遭い、膝と足首の靭帯を損傷。それからというもの、長時間の買い物やイベントは苦痛。時間が経つにつれて楽しい時間が辛い時間に変わっていく。

 

写真を見てもらうとわかるかと思いますが、僕の踵は内側に倒れています。足のアーチが潰れてしまって、しっかりと体が支えられていない状況なんですよね。

 

こんな状態だと、ストレッチや筋トレを怠ればすぐに症状が出てしまうので、毎日のストレッチは欠かせませんでした。

 

実際、患者さんと関わっていく中で、同じような症状に出会うことなんて日常茶飯事。僕はストレッチと運動療法で患者さんに指導をおこなってきましたが、性格や生活スタイルはさまざまなので、どうしても続かない人が出てきてしまう。

 

どうしたらみなさんにより良い治療環境を提供できるのか。色々考えた末に出会ったのが、『足元から症状を考える』という方法でした。

 

世の中には自分のように痛みや違和感に悩まされている方がたくさんいます。その方々に向けて、どのような点に気をつければ、今の状況が変えられるのかを解説したいと思います!

 

この記事はこんな人におすすめ

 

・腰や股関節、膝の痛みに悩んでいる人

・肩こりや首の痛みが気になる人

・自分の姿勢・スタイルが気になる人

・スポーツをしていて、パフォーマンスをより一層上げたい人

・腸脛靭帯炎やシンスプリント、モートン病と診断されたことのある人

・足底腱膜炎がなかなか治らない人

・足腰が弱ってきて、つまづきやすくなった人

 

これらが少しでも当てはまったら、絶対に今から行動を起こしたくなるはず!お時間ある方は最後まで読んでいってください。

 

足の歪みとは

さて、足の歪みってなに?って思うかもしれませんが、僕らの中ではこのことを『アライメント不良』と呼んでいます。言葉が難しいので、ここでは『歪み』と表記します。

 

僕が見ているチェック項目はもっと多いのですが、みなさんが自分の足を見たときに、自分の状態がどうなっているかを分かりやすくするため、ざっくりと簡潔に書いていきたいと思います。

 

①アーチが低くなっている

 

土踏まずの部分(アーチ)が低くなって『ペタっ』とした状態の足のことを扁平足と言います。

通常の足は、川にかかった橋のように、弧を描くアーチを持っています。しかし、人によってはこのアーチが低くなってしまっていることがあります。

 

アーチが低くなる原因はさまざまですが、多くは自分の足に合っていない靴を履いていることに起因します。このアーチは、内側と外側、さらに親指の付け根から小指の付け根にかけて横方向に存在します。これらをそれぞれ、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチと呼びます。

 

ここでは、特に内側縦アーチが低くなっている状態にフォーカスを当ててご説明します。この土踏まずが低く、ペタッとした足になってしまっていると、足が地面からの衝撃を吸収できなかったり、体重を分散できなかったり、歩くときに前に進もうとする力をうまく地面に伝えることができません。

 

そのため、地面への接地面が偏ることから体を支えにくく、バランスが崩れやすい足と言えます。つまり、このような足の人は力を地面に伝えることが苦手で、とても疲れやすいのです

 

また、各々のアーチに問題がある人は、シンスプリントや足底腱膜炎、モートン病、腰の痛みや股関節、膝の痛みなどにつながります。

当院でご相談いただいた方の足を撮影させていただきました。アーチが消滅して、土踏まずが地面についてしまっています。

 

自分で扁平足かどうかをチェックする際は、両足でしっかり立った状態で、土踏まずと地面の隙間に人差し指と中指が2本入るかどうかで簡易的にチェックすることができます。

 

指が全く入らない程にアーチが低下している場合は要注意です。

 

②踵が内側に倒れている

過回内という言葉を聞いたことはありますか?あまり聞き馴染みがないと思いますが、これは踵の骨が内側に過剰に倒れ込んでいる状態を指します。

 

通常であればこの画像上の青いラインが真っ直ぐになっていることが好ましいのですが、内側に倒れてしまっている状態では『くの字』に曲がってしまいます。

 

扁平足を持っている方の多くはこの過回内も起きていることが多いのですが、この状態だと膝も一緒に内側に倒れてしまうことになるので、いわゆる『X脚』となり、膝や股関節に負荷がかかりやすくなります。

 

また、特定の筋肉がうまく使えないことにより、身体全体のバランスを損なうことにつながります。

 

冒頭に見ていただいた僕の足は、これに該当します。足首から下が、外に向かって崩れているのがお分かりいただけるかと思います。

 

<強く症状がみられる患者様の足を撮影させていただきました。>

 

多くはサイズの合わない靴を履いていることが原因です。靴には、ヒールカウンターという踵を支えるための機能があります。

 

靴によってはこの部分が柔らかかったり、大きすぎる靴を履いていることで踵がヒールカウンターから外れてしまうことにより、症状を悪化させてしまいます。

 

靴のサイズがしっかり合っているかどうかは、フットメジャーを使って足のサイズを計測すると良いでしょう。

 

<フットメジャーを用いて簡易的に足のサイズを測る様子。特に子供の足は柔らかく、成長も早いため、定期的に足を測定してあげることで、健全な育成に役立ちます。>

 

では、足の歪みを引き起こさないようにするには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

 

 

足の歪みを引き起こさないように気をつけること

 

どうしたら足の歪みを防ぐことができるのでしょうか。実際に僕がおこなっている対処法をご紹介します。

 

 

靴のサイズを見直す

先ほど、少しだけ説明させていただきましたが、サイズの合わない靴を履いていると、靴が足をしっかりと支えることができずに足の歪みを誘発します。

 

そのため、しっかりと自分に合った靴を選んであげることが大切です。靴のサイズ選びで気をつけたいことは、以下の点です。

 

つま先から踵までの長さが合っているか

今あなたが履いている靴は、つま先にどれくらい余りがあるでしょうか。指で靴の先端を触ってみて、つま先に大きく余りがある方は要注意です!

 

今近くに靴があるようでしたら、実際に靴を履いて確かめてみましょう。靴を履いたら、踵の部分を地面に『コンコン』と当ててみて、足を踵に合わせてみましょう。

 

その状態で、つま先にどれくらいの隙間が空いていますか?大きく空いてしまっている方は今すぐ靴のサイズを見直す必要があります。

<踵の部分に隙間ができないようにピッタリと合わせる。>

 

靴を選ぶ際に多くの方が参考にする、〇〇cmという部分を『レングス』と呼びます。適切なサイズは、つま先におよそ1センチの隙間が空きます。大きすぎても小さすぎてもダメです。

 

自分の足のサイズを知るうえで一番良い方法は、しっかりとフットメジャーを用いて計測することですが、難しい場合は『指一本分』と覚えておきましょう。

当院にいらっしゃる患者さんで、腰から下の症状を訴える方の靴のサイズを計測してみると、そのほとんどが2センチ程度大きく履いています。

 

靴のサイズを適切なものに変えるだけでも症状が軽減することがありますので、この辺りはしっかりとおさえておきたい部分ですね。

 

親指の付け根から小指の付け根までの横幅が合っているか

意外と気にしていない方が多いのが、足の横幅です。靴の長さだけで靴選びをしてしまう方が多いのですが、横幅もとても大切です。靴の横幅を表すものを『ウィズ』や『ワイズ』といいます。

 

基本的には『A.B.C.D.E.2E.3E.4E.F.G』と表しますが、アシックスなどの一部メーカーでは『ナロー』『スタンダード』『ワイド』『エクストラワイド』と独自に表記するものもあります。

<上がニューバランスで、下がアシックス。>

 

この横幅を選ぶ際に一番やってはいけないことは、『幅がキツイから、レングスを大きくする』ことです。例えば、24センチで横幅がきつく感じた際に、25センチにしてしまうといった例が多く見られます。

 

この場合、横幅に無理やり靴のサイズを合わせているので、靴の中で足が滑ってしまい、つま先が靴の先端にガツガツと当たってしまいます。

 

その結果、指がうまく働かなかったり、爪がダメージを受けます。また、過剰な回内が起きている人は、靴の踵の部分から踵の骨がはずれてしまうことでせっかく靴が持っている機能が使えなくなります。

<やや極端な例ですが、靴の中で足が滑ってしまうイメージ。>

 

以上のことから、必ずウィズはしっかりと合わせてあげる必要があるのです。

 

自分のウィズを詳しく知りたい場合は、当院へご相談いただくか、靴屋さんに相談してみましょう。自分で測ると、姿勢の変化でサイズがぶれてしまって正確なサイズが計測できない恐れがあります。

 

靴の深さが合っているか

これはやや難しい話なのですが、生まれつき足の関節が緩かったり、捻挫を繰り返してしまっているせいで不安定になっている場合があります。

 

そういった足になってしまっている人は、足首までしっかりと固定される『ハイカット』タイプを選ぶと良いでしょう。履き口が緩くて大きい靴、深さがない靴は足の固定力が低い傾向にありますので、不安な方はできるだけ深く足が入って、足首が固定される靴を選んであげるといいですね。

 

 

どんな条件を満たしている靴がいいのか

こちらの靴は当院においてあるサンプルシューズ(アシックス GT-2000 10)です。この靴は、足にとって必要な要素を満たしているオススメのシューズになるのですが、靴を選ぶ際におさえておきたいポイントを解説します。

 

ヒモがある靴

靴紐は足を固定して靴の中で足を滑りにくくするだけでなく、先ほど説明した横アーチを作ることにもつながります。

 

足をしっかりとフィットさせるためにはこの靴紐が重要な役割を果たしますので、できるだけ靴紐があるタイプを選びましょう。

 

踵がしっかりとしているもの

靴の用語では、『ヒールカウンター』と呼ばれる部分です。この部分が柔らかい靴は、足の踵をしっかりと支えることができずに、ヘタってしまいます。

 

特に過剰な回内が起きている足にとっては、とても大切な部分になりますので、靴を選ぶ際には一度この部分を触って確かめてみましょう。もしこの部分が柔らかい、そもそも踵の部分が無い靴は、できるだけ避けましょう。

 

靴が柔らかすぎないこと

最近では疲れにくさを謳って、靴全体がとても柔らかいタイプのものが販売されていますが、このタイプの靴は扁平足の人にとって足をしっかりと支えることができずに負担となります。また、歩行や走行時の推進力が得られずに疲れやすくなったりします。

 

靴の用語では『シャンク』と呼ばれるプレートが靴底に搭載されています。これは、靴の型崩れを防ぐために付けられている機能ですが、このシャンクが無かったり極端に柔らかい場合は、型崩れを起こして足を支えることができません。

 

正しい強度であれば、靴の前1/3くらいの親指の付け根にあたる位置で折り曲がり、そのほかの後ろの部分はシャンクに支えられてほとんど曲がることがありません。こちらも一度手に取って確認してみてください。

<シャンクに支えられて靴自体がしっかりと支えられている。>

 

シャンクの素材はさまざまな物が使われています。プラスチックのようなものから、カーボンでできたものもあります。

 

素材の違いにより、強度や反発力が変わってくるのですが、症状によっては反発力が強すぎて関節に負荷がかかるものもあります。良かれと思って選んだものが、歩き方や走り方に合わずに痛みを誘発している場合があります。

 

特にマラソンランナーの方などは走行スタイルやクセによって素材や靴の形状を選んだほうが良いので、一度ご相談ください!

 

 

インソールを作製する

さて、ここまで靴や足のことについてお話ししてきましたが、僕がイチオシなのは『インソール作製』です。僕の人生を変えたと言っても過言ではありません(笑)

以下に当てはまる人はインソール作製がとってもオススメなので、参考にしてみてください!

 

立ち仕事や歩き仕事が多い

長い時間立っていたり、歩く時間が長い方には仕事用の靴に入れることをオススメします。レジ打ちの方や美容師さん、工場で働いている方も当院にはよくいらっしゃいます。

 

スニーカーや安全靴にも入れることができますし、インソール自体は他の靴に入れ替えることもできるので、お仕事用の靴とプライベートの靴で入れ替えながら使っていただいています。

 

僕もプライベートはもちろん、仕事用の靴にはしっかりとインソールを入れています。正直、これがあるとないとでは大違いなんですよね・・・。

 

中には重いものを持たなければならない、なんて方もいらっしゃると思いますが、足がしっかりと機能してくれるようになると、屈んで物を持つのがとっっっっても楽になります!(笑)

 

もちろん、全く疲れなくなるわけではありませんが、今まで使われていなかった筋肉が使われるようになり、ひとつひとつの動きにかかる負荷が分散されるので、結果として疲れにくくなります。

 

『仕事が終わったあと、足が疲れてどうしようもないんだよね・・・』という方も、当院で作製したインソールを使ってもらうと、その変化に大変驚かれます。

 

膝や股関節、腰に不安がある

当院に相談に来られる方で最も多いのはこの理由です。痛みがあったり、足が動きづらい、ぎっくり腰をやってしまいそうなどの理由からご相談いただきます。

 

このような不安を抱えている方の足を検査してみると、ほとんどの方に足の歪みがみられますので、インソールを使って症状を軽減させます。また、インソールを使用しながら運動療法をおこなうことで、さらに早期回復を促すことができるので、当院ではインソールと運動をセルフケアの柱としてご指導させていただいております。

 

インソールを使って正しい位置に足を調整することで、ほかの関節への負荷が減ります。どこへ行ってもなかなか良くならないという方は、一度ご相談いただければ入念にチェックしたうえで、適切な処方をいたします!

 

姿勢やプロポーションをキレイにしたい

特に女性から『太ももの張り出しが気になる』『下腹を引っ込めたい』『ふくらはぎの太さが嫌!』と言ったご相談を多く受けます。ダイエットという部分では、当然カロリー制限や適切な運動が必要になりますが、骨格上の問題がある場合は、インソールで全体的な姿勢を調整します。

 

姿勢はなかなか意識し続けられるものではないので、無意識であっても効果を発揮できるインソールは、姿勢矯正にはピッタリ!

 

腰が反っていて身体のバランスが悪い、猫背になってしまっているなどの症状については、施術とインソールの組み合わせでご案内しています。

 

身体のパフォーマンスアップ

スポーツをしている学生から社会人、プロスポーツ選手の方々から、『身体の動きを良くしたい』『筋トレの効率を上げたい』と言ったご相談を受けます。しっかりと日々鍛錬されている方でも、足の歪みのせいで使えていない筋肉が出てくることがあります。

 

特に体幹やお尻周りの筋肉がその影響を受けやすく、普段の動きのうえでも大切な筋肉になってくるため、パフォーマンスアップには絶対に必要な部分となってきます。

 

<当院に設置している高性能体組成計 ITO InBody>

 

当院では『ITO -InBody』を使った体組成分析をおこない、『どこにどれくらい筋肉がついているか』をチェックしたうえで、実際の身体の動きと照らし合わせながらインソールを処方します。

 

作製後、インソールを使いながらトレーニングをしていると、今までなったことのない部位が筋肉痛になっている!と喜んでいただけます(笑)

 

歳を重ねて、歩行に不安がある

ご高齢の方は、足腰の筋肉が弱ってきていることもあり、つまづきやすくなったり、転倒してしまったりすることがあります。このような場合、やはり筋トレが必要な部分もあるのですが、足裏からのバランス補助をおこなってあげることで、足が運びやすくなったり、転倒防止になります。

 

ご高齢の方には、関節の変形が多々ありますので、その点も考慮しながらインソールを処方することで、今後も『自分の足で歩く』を実現します。

 

<足裏の支持能力が向上したことによって、前屈がしやすくなった例。インソールなしの場合は、『前に転びそうな感じがある』とのことですが、インソール挿入後は、『安定して前屈ができるようになった』とのこと。インソール処方によって、年齢関係なく、このような変化が多くみられます。>

 

それでは、いよいよ僕の足がどこまで変化したのかを大公開しちゃいます!!

靴とインソールで僕の足はどうなってしまったのか・・・!!

(さらに…)